特集 縁の下の力持ち!農業を支える様々な企業

case.4 専門誌
一般社団法人農山漁村文化協会 (東京都)

 雑誌「現代農業」をはじめ様々な農業関連の書籍を制作・発行している一般社団法人 農山漁村文化協会(以下、農文協)。今回は「現代農業」の編集部で働く山下さんに、具体的な仕事内容や農家さんと関わり方についてお話を伺いました。

△山下 快さん

農家が役立つ情報を、農家視点で毎月発信!

―月刊「現代農業」には農家さんが導入しやすい農業技術や最新の農業事情などが掲載されていますが、毎号どのように制作されているのですか?
 巻頭特集は編集部全員で取組み、ほかのコーナーは各々の担当者が企画や取材、農家への執筆依頼、等をします。
 例えば巻頭特集は、2月号は「品種」、6月号は「防除」、10月号は「土と肥料」と決まっていますが、それ以外は「夏の石灰欠乏に挑む」「地温アップ」「農家のイベント」など、その季節に合わせた内容を軸に「農家に役立つ情報は何か」を考え企画を出し合い、意見が合致すれば採用されます。各コーナーは、稲作、野菜と花、果樹、畜産などに分かれるのですが、僕は9月号から地域経営の担当になったので、TPPや農政、集落営農、地域づくり等を中心に扱います。
 生産技術に関しては、農家が読んで再現できる話を紹介しています。例えば、「堆肥の出来上がりが水分含量60%」と聞いて具体的なイメージができますか?

―いや…難しいですね。
 ではそれが、「ぎゅっと握ったときにボタボタと落ちない程度で、手を開くと固まりになっていて、なおかつ指で押すとポロポロと崩れるくらいの水分量」と書かれていたらどうですか?

―イメージできます!
 そうだよね。こんなふうに現場で役立つ情報が書かれているのが「現代農業」なんです。余談ですが、堆肥の話は僕が大学を休学して1年間カンボジアのNGOで農業支援をしていたときに現地にあった農業書の中で「本当に役立つ情報だ!」と感動した時の話です。農文協を知ったのもその時で、入社を希望しました。


△6月号(5月1日発行)の表紙は、「アブラムシ(害虫)と、それを狙うテントウムシの幼虫(益虫)」という構図。細かいこだわりが伺えます。

―そうなのですね!入社されてからずっと編集部にいらっしゃるのですか?
 いえ、最初は営業でした。まず当社に入社すると、最低1年間は「現代農業」の売込みをします。全国各地、1軒1軒農家を訪ねて、本を紹介したり「最近どうですか?」「どんな記事が面白かったですか?」などと聞いて回ります。そこから「最近こんな技術を試してみた」「こんな課題がある」といった情報を収集し、農家に役立つ情報があれば調査や取材等をして記事にします。
 ただ、400ページを超える「現代農業」を編集部9名で回すのはなかなか難しいので、半分くらいは農家に記事を書いてもらっています。

―それが最初に仰っていた「農家への執筆依頼」ですか?
 そうです。農家が書く記事は、日々現場でやっていることや考えているなので面白いんです!時には記事を読んだ農家から「あの農家の方がもっと収量上げているぞ」とか「こういう技術があるけど知っているか?」というように、農家が農家を紹介したり、売込みにくるパターンもあります。こんな風に「いいことを発見すればみんなに知らせたい」と考えるのは農家の美徳の一つだと思います。

―農家さん向けの情報を農家さんが書くというのも面白いですね!お話を伺い御社の事業はメディアを通した「農業の縁の下の力持ち」だと感じたのですが、ご自身ではどう思われますか?
 うーん…、あまりその意識はないですね。というのが、僕らは生産技術があるわけでも研究をしているわけでもなく、農家がやっていることを紹介しているに過ぎないので。「『現代農業』は農家が作っている雑誌で我々はそのお手伝いをしている」、そういう感覚です。
 大事にしていることは、農家と想いは 一緒だということ。農業や地域の課題を共に考え、農家にとって本当に役立つ情報を出していく、その積み重ねですね。

―山下さんの制作にかける熱い想いをすごく感じました!最後に、学生に一言お願いします。
 本を読んだり基礎的な勉強をして知識を貯めておくと良いと思います。会社に入ると腰を据えて学ぶ時間を作るのがなかなか難しいんですよね。もちろん農家から学ぶことも多いのですが、知識がないとレベルを下げてお話をされるので本質が聞けないという事態も発生してしまいます。だからこそ、学生時代の積み重ねは大切。後々じんわり効いてくる、まさに元肥みたいなものですよ。

公式サイト

一般社団法人 農山漁村文化協会(農文協)
⇒ http://www.ruralnet.or.jp/




※記載情報は取材当時のものです。
※無断転用・転載・改変を禁止します。引用の際は、当社までご連絡ください。


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