特集 縁の下の力持ち!農業を支える様々な企業

case.2 農業資材
株式会社 東海化成 (岐阜県美濃市)

 美濃の地で50年近く、プラスチック製育苗鉢(以降ポットと表記)を作り続ける株式会社東海化成。ポットは、言わずと知れた農業の頼れる資材のひとつです。今回は代表取締役社長・景山昌治さんに、ポットにかける想いを伺いました。

△景山社長。手にしているのは白いポット。
手前に積まれているのはカラフルなカラーポット。

農業の「当たり前」を作り続ける。

―御社について教えてください。
 弊社はポットの製造・販売を中心にした農業資材の会社です。創業の地であるここ美濃地域はかつて紙漉きが盛んで、弊社も創業当時は紙に関する事業を展開していましが、高度経済成長で紙漉き産業が衰退しました。弊社では1968年にポットの製造・販売に転換しましたが、職を失った地元の紙漉き職人方にポット製造を依頼したところ、彼らのものづくりに対する誠実さに助けられて企業としても成長しました。その後、高齢化等で働き手が少なくなったため1995年に中国へ進出。現在、製品の9割は中国工場で製造していますが、ノウハウや原料は全て日本で準備しています。

△試作品や一部製品は国内工場で製造。

―ポットといえば黒色の印象ですが、御社はカラー展開をされていますね。
 「野菜苗の品種の見分けがつくように色を変えられないか」というお客様からの要望に応えていていくうちに、どんどん増えていきました。カラーポットは全部で50色近くあると思います。
 弊社は中間業者を通さず、実際に商品を扱う種苗会社などのお客様に直接売りに行く独自の販売網を事業開始当初に作り上げるなど、営業に力を入れていることも特色の一つです。お客様の要望が直接弊社に届くので、それらを大事にしながらなんとか形にしようと、商品開発に取り組んでいます。

―農業の現場を支える事業を展開する中で、苦労されることはありますか?
 たくさんありますが、何より一番は品質を維持することです。例えば、重ねたポットを取り外す際、引っかからないでパラパラっとすぐに離れないとだめなんですが、この調整がなかなか大変で…。弊社のポットは、他社がプラスチック製品を作る際に出る余りの部分を再生原料として使っていますが、硬さが異なるなど原料の品質にバラつきがあるので、それらを調整し均一な商品を製造していきます。ここにも技術が必要なんです。農業の作業性に響く大事な部分なので、やはり品質面はしっかり押さえる必要があります。これはこれで深い部分があるんですよ。

―普段何気なく使っているポットにそんな背景があるとは思いませんでした…。
 農業者からすると当たり前すぎて、空気みたいな存在ですよね(笑)。

―確かに、ポットの存在は重要ですが、あるのが当たり前という感覚でした。
 当たり前のものを作り続けるなかでもお客様の要望に合わせると様々な展開ができるんです。カラーポットもそうですが、ポットの穴もオーダーに合わせて開けられますし、浅いもの・深いもの、小さいもの・大きいもの、プリント技術を活かしてお客様オリジナルデザインのポットを製造する、など。開発・製造に携わる従業員たちも農業・園芸・緑化の分野で幅広く使われているところを見て「非常に大事なところで活躍する商品を作っているんだ」と感じていると思います。

△ 可愛いデザインのポット。オリジナルデザインは1万ポットから製造可能。

―今後はどのような展開をお考えですか?
 お客様との関係の中で、新しい需要と生産方法を早く掴み、それに合わせた商品の開発をしていくことが大事だと考えています。
 加えて今の課題は、ほとんどの製品を中国で製造していることです。海外の工場は、今後は現地の市場向けの商品を開発・製造するという道はあるかと思いますが、もはや海外で製造して日本に持ってくる時代ではないと感じています。これからは海外に頼らなくていい、地元で強い生産力を持った工場を作っていきたいと考えています。

―最後に、学生に一言お願いします!
 ポットに限らず農業資材は非常に地味な商品です。また、農業者の高齢化や、植物工場などポットを必要としない農業の登場で業界の元気もなくなってきていると感じています。しかしポットは、食・心の癒し・環境などこれからの日本社会が見つめ直さなければならない非常に大事なところで幅広く活躍する資材です。若者が注目してくれるのは本当に希望の星のようなもの!社会で活躍する商品を一緒に作っていきましょう!

公式サイト

株式会社 東海化成
⇒ http://www.tokai-kasei.co.jp/



※記載情報は取材当時のものです。
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