大学生が見た農業の最前線

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特集 6次産業化から見る農業の仕事!&就活秘話!

【稲作】 米・麦・大豆など/ビール/石川県
(有)わくわく手づくりファーム川北

「農業を基幹産業とする川北町から世界に羽ばたく企業を目指す」を目標に発展を続ける(株)わくわく手づくりファーム川北。同社の入口社長に、6次産業化(以下、6次化)に取組まれたきっかけや目標を伺いました!

ビールが売れるストーリーを描く!


●代表取締役 入口博志さん
東京の大学を卒業後、地元・石川県で就職したが約半年後に退職しアパレル系で起業(当時は兼業農家)。仕事の繋がりで地域の将来を考えたことをきっかけに同社を設立。

―6次化に取組まれた経緯を教えてください。
 「地元・川北町を活性化できることはないか」と考えているときに「米の転作で作るようになった麦や大豆を利用してビールや豆腐、お菓子といった加工品を作ればいいんじゃないか?それを飲んだり、買ってもらったりするところを作れば人が集まるんじゃないか?」と考えました。将来的には農業テーマパーク作りたくて、その起爆剤として「ビールを作ろう!」と思い、シミュレーションの結果「いけそうや」と思ったので、農業と6次化を軸に地域活性化を目指す当社を設立しました。

―ビールの特徴を教えてください。
 自分たちで作った麦から麦芽を作り、ビールを作ること。売り方も、「ビールが出来たから買ってください」という形ではなく、企業等へ営業をして売り先を確保してから製造する点が特徴です。
 大きな転換期は2015年の北陸新幹線の開業。この2年程前からJR西日本へ売り込みに行き、何度も断られたのですが、最終的に金沢駅での販売が可能になり、この確証を得てから設備を拡大し増産しました。提案する時も「使ってください!」と押し売りするのではなく、商品のコンセプト描いて、ストーリーを描いて、ラベルも数種類提案して、ここだけのオリジナル性を前面に出すようにしています。その甲斐もあり売行きは好調で、今では金沢駅オリジナルビールなども製造しています。

―努力の賜物ですね…!ここに至るまでには大変ご苦労があったかと思いますが、諦めずに続けようと思われたのはなぜですか?
 法人設立当初は直売所とレストランをオープンしましたが経営はうまくいきませんでした。しかし、田んぼを担保に融資を受けてそれら事業を始めたこともあり諦めるわけにはいきませんでした。諦めるということは先祖代々受け継がれてきた農地を自分の代で手放すことになるので、先祖に申し訳ない気持ちがありました。それに、周囲から「やっぱり失敗したね」と言われたくないというプライドもありました。だから、石川県のファンド事業や国の6次化の補助事業などに手を挙げたり、農業生産にも営業活動にも力を注ぎました。そのおかげで、ビールはいまは国内だけでなく海外輸出できるほどに成長しました。

―今後の目標を教えてください!
 雇用条件を改善したいですね。将来的には上場企業と同じくらいの条件で雇用できるようにしたいと思っています。
 それと、地域の農家が高齢化していることもあり田んぼの受託が増えてきているので、6次化も更に強くして安定した経営ができるようにしていきたいと思っています。今は国内・海外あわせて1.5倍の売上げ増加を目指しています。

―最後に、御社で求められている学生像を教えてください。
 農業=生産だけではなく、グローバルに世界を相手に仕事をしたり、メイド・イン・ジャパンを世界に広めようという夢のある人が理想的です。世界を股にかけて、どんどん羽ばたいてほしいですね!

若手社員さん就活秘話


●高橋 千亜紀さん
<入社1年目> マーケティング担当

―普段のお仕事を教えてください。
 マーケティング担当ですが色々な業務をしています。例えば、ラベル製作会社との折衝や見積もり作成・顧客管理といった事務作業、イベントの準備や出展、輸出関係、醸造や配達の人手が足りないときはその手伝いなど。ビックリしたのは、入社直後で営業の「え」の字も分らないうちに一人でアメリカへ行って契約を取ってくるように言われたことですね。ちゃんと取ってきましたよ!

―すごいですね…!そもそも、なぜ貴社に入社されたのですか?
 私は実家が稲作農家で、将来的には継ごうと考えていますが、その前に他の農業法人さんで働いて経験を積みたいと思っていました。ここは6次化と、私の好きなアルコール飲料を扱っていることと(笑)、社長と話をした時に自由な雰囲気を感じて「この会社なら色々やれそうだ」と思ったので入社を希望しました。

―仕事を始めていかがですか?
 学生時代とは責任感が全然違いますね。たまに辛い時もあるのですが、会社をうまく回すために考えたことを実践してそれを評価してもらえると「もっと頑張ろう!」って思いますし、楽しいですね。明日は初めて商談会に参加するのですが、若い勢いとガッツで頑張ろうと思います!

―今後の目標を教えてください。
 数値的な目標は、社長が目指している「5年後に海外での売上本数15万本」を達成することですね。個人的には、当社のビールを製品としてだけではなく、背後にあるストーリーも知っていただきたいと思っています。そのため、私が広告塔になれるよう、試飲会や商談会など、フットワークを軽くして色んなところに行きたいと思っています。また、今のターゲットは中高年の方が中心なのですが、若者が食いつくような地ビールのトレンドも作っていきたいと考えています。

―農業法人に入社したいと考えている学生にアドバイスをお願いします!
 規模の大小にもよりますが、与えられた担当以外の仕事をすることも多々あると思うので、自分から動くのが好きな人や普通の会社じゃ満足できない人には向いていると思います。農業法人は組織面は弱いかもしれないですが、人として成長できるところだと思うので、ガッツある学生に来てほしいですね!
 また、私の場合は、農業や食の業界に詳しい方にご協力をいただき当社にたどり着いたのですが、学生のうちに農業に関心がある人と縦・横のつながりを作っておくと就活にも役立つと思います。そして、当時の当社がそうだったのですが、もし仮に求人を出していなくても電話で想いを伝えると入社できることもあるので、電話してみると良いと思います!

会社概要

会社名 農業法人(有)わくわく手づくりファーム川北
代表者 入口 博志
所在地 石川県能美郡川北町字壱ツ屋183-3
設立 平成10年3月
従業員数 常時雇用14名(うち正社員6名)
事業内容 米・麦・大豆・ホップの生産、ビール・大豆等の加工、農産物直売所、レストランの運営、など
栽培面積 15ha(川北町橘新地区の3分の1を占める)
ビールの売上本数 年間60万本(350ml缶概算)※在庫切れを防ぐため年間を通して製造し続けている。

公式サイト

 農業法人(有)わくわく手づくりファーム川北 ⇒ http://wkwkfarm.com/



※記載情報は取材当時のものです。
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